店声仁語−3− ( 2001.9.〜2002.2.)

店声仁語:目次・・・


★昨日の朝日新聞がくらしのページで例の元麻布の無様なビルを取り上げていました。あの無様なビルの形が日影を薄めているとかビル風を和らげているとか、いつか地域のシンボルになるとか、ビル建築側の都合のいい言い訳が書かれ、あたかも弁護しているようなのが残念です。以前批判記事を書いて 、地方に飛ばされたという記者としては、精一杯の記事なのでしょう。 一方で、多くの人々が反対しながら資本の前にどうしようもなく、それでもなお、がま池に象徴されるように、地域の環境を守りたい、住みつづけられる街を守りたいと3000名の署名を集め請願書を出した住民の思いを語った3人を紹介していました。最後に「・・・心の中でバカと小さくつぶやくしか方法がないんでしょうね」と結んでいるのが印象的でした。行政までが資本よりでは、ほんとうにどうしようも出来ない情けなさを、私も心の中で小さくつぶやいてみました 。「・・ビルのバカ!」。声には出さなくても大勢の人が同じ思いだと思います。「・・ビルのバカ!」一緒につぶやいてみませんか。いつか本当に声を出してみんなで言えるといいのですが、「あれは再開発ではない、住宅環境の破壊だ、歴史ある街の破壊だ」と。気が付いた時、街はめちゃめちゃになっ ている。「・・ビルのバカ!」、小さなつぶやきが大きくなることを願って。

2002.2.26.

 

★朝、お弁当を二つ作る 家内を見て母子の会話

「ボク、二つも食べれないよ」
「一つはお父さんの分、お母さん 今日お友達とランチだから」
「おやじ、かわいそう」
「何言ってんの、カップラーメンやコンビニ弁当よりいいでしょ、愛妻弁当」
「そういう問題か」
「たまにランチしたっていいでしょ」
「たまにならね、こないだもお弁当二つ作ってた。」
「・・・」
「それに、コンビニ弁当の方が美味しかったら悲劇だね」
「ん、もぉ」

2002.2.24.

 


★覇者の驕りなのだろうか、最近のブッシュ・アメリカの行動が気になる。京都議定書の否定、ABM制限条約からの一方的離脱、ミサイル実験、CTBT包括的核実験禁止条約の死文化etc.政治的コラムは書きたくはないが、イギリスを抱き込んでの今回の核実験は何なんだろう。ブレア・イギリスよ、ブルータスかと言いたくなる。このことに英米のマスコミが沈黙しているのも信じがたい。バーバラ・リー女史はどう反応するのだろうか。これ以上の核は地球にはいらない。

2002.2.16.

 
★ つけもののおもし    作詞 まど・みちお

つけものの おもしは
あれは なに してるんだ

あそんでるようで
はたらいてるようで

おこってるようで
わらってるようで

すわってるようで
ねころんでるようで

ねぼけてるようで
りきんでるようで

こっちむきのようで
あっちむきのようで

おじいのようで
おばあのようで

つけものの おもしは
あれは なんだ

 

2002.2.8.

 


★パパ、ママという感じではない。お父さん、お母さんで大きくなった息子は、小学校6年生の頃から私を「おやじ」と呼ぶようになった。「お父さん」と呼ぶのが何となく照れくさくなったからのようだった。そのうち「お母さん」も変わって「おばじ」になった。

「『おばじ』はないだろう、『おふくろ』だろう」
「いいじゃん、『おやじ』だから『おばじ』で」
「それじゃおまえは『こやじ』か、♪めぇめぇ うちの こやじ〜♪!」
「ちがうでしょ、おやじ、おばじだから『おこじ』でしょ」

2002.1.23.

 


★土曜日休みで三連休という方も多いかもしれない。毎週火曜日定休の我が家には 、夏休みと正月休みのほかは連休がない。日曜日も 祝日も営業だから、子どもが小学校に入ってからは一緒に遊園地や旅行ということがほとんどなくなってしまった。子どもも慣れてしまったのか、どこか連れて行ってとは言わないのが寂しい。
 

「連休、どこか行きたいところあるか」
「別に・・・」
「お母さんと行ってもいいよ」
「特にって言えば 、紀伊国屋かな」
「ほぅ、学校で何か必要な本でもあるのかい」
「・・・ゲームの攻略本」

本イラスト

日曜日に一般開放されている近くの小学校のプールに泳ぎに出かける中学3年生、私の背を超えて大きくなりました。商店には定年がないけど、たまには連休もいいかな。

2002.1.12.

 


★今年もあとわずか、1年ってはやいですね。年毎に時の早さを感じるようになって、物忘れもひどくなったかな。

「え〜と、何しようと思っていたんだっけ、ボケたかな・・・」
「ボクだって忘れることあるよ、若ボケかな」 と息子との会話。

昨日のことだけでなく、ついさっきのことを忘れたりするのに、1年たっても何年たっても忘れられないこともあるんですね。

2001.12.19.

 


★隣人の息子さんの結婚式に招かれました。赤ちゃんの時から知っているマーちゃんが結婚かと今さらのように歳を感じました。新婦の祐子さん、なかなかの美人で快活に挨拶。
「今まで脇役ばかりだったけど 、はじめて主役をやって主役もいいもんだぁと思いました。」
新婦のお父さんの挨拶がまたいい。
「私の趣味は釣りです。釣った魚にはエサはやらないって言われますが、私は最近釣った魚にエサをやっています 。エサをやったほうがよく働くんです。新婦の祐子もそうです。正明さん、どうかエサを沢山やって下さい、よく働きますから。エサは何でもいい、よく食べます。」
いいお父さんですね。きっといいお嫁さんでしょうね。マーちゃん、祐子さん、お幸せに。
そうだ、私もエサをやってみようかな。でも、食い逃げされそう。?

2001.12.03.

 


流れ星イラスト★しし座流星群 、見ましたか。麻布の空はあいにくうす曇、なかば諦めていたのですが 、見えました。 3年前のしし座流星群のとき、小学校 6年生の息子と屋上で蒲団に包まって見たのを思い出しました。「ほら、また」「こんどはこっちだ」、はじめて見た流れ星に興奮していた息子は、今、中学 3年生、黙って空を見ていました。星に願う思いも少しづつ変わっていくのでしょうか。

今、 麻布学園のホームページに天文部が観測した 「しし座流星群 」の写真が載っていますヨ。
 (こちら から)

2001.11.19.

 

★しば草     金子みすゞ

名はしば草というけれど、
その名をよんだことはない。

それはほんとにつまらない、
みじかいくせに、そこらじゅう、
みちの上まではみ出して、
力いっぱいりきんでも
とてもぬけない、つよい草。

 

けれどももしか原っぱが、
そんな草たちばかしなら、
あそびつかれたわたしらは、
どこへこしかけ、どこへねよう。

青い、じょうぶな、やわらかな、
たのしいねどこよ、しば草よ。

 

 

げんげはあかい花がさく、
すみれは葉までやさしいよ。
かんざし草はかんざしに、
京びななんかはふえになる。

うさぎイラスト

2001.11.17.

 


★テロを怖がりながらも、娘の出産の手伝いにアメリカに行っている姉から電話。ナッシュビルの小さな町の姪の家は、ゴルフ場に隣接した緑いっぱいの別荘地のようなところにあるのだそうだ。時おり現われるリスにやたらと感激している。赤ちゃんを連れて買物に行ったスーパーで、現地の人に赤ちゃんが男の子か女の子かとたずねられた姉は、英語が聞き取れず「Thank you Thank you」を繰り返していたと姪が笑う。朝寝坊の姉、小鳥の鳴き声がさわやかで気にならないと言う。曰く「だってこっちの小鳥たちはみんな英語で鳴くんだもの」

2001.10.28.

 


バラ60本
私の誕生日、赤い チャンチャンコ。 o(^-^)o
びっくりしました。
真紅のバラ60本の花束が届いたんです。
喫茶「ラクーン」に集う若き、美しきお母さんたち、
ありがとうございます。
感涙にむせんでいます。
お返し、どうしよう、どうしよう!
これで30本、あと30本は別の花瓶にいけました。
60本って壮観でしょう。
これより大きな花瓶がなかったんです。
でもうれしいものですね。
お誕生日を覚えていてくれただけでも感激です。

2001.10.25.

 


★テロへの報復が始まって世界中が緊張しています。テロを許す気は毛頭ありませんが、報復だけで解決する問題でないことは誰もが思っていることではないでしょうか。報復にただ一人反対した下院議員バーバラ・リー女史の勇気が少しづつ理解され、アメリカでも反戦運動が広がっているようです。2000年も続く宗教の問題はそう簡単には解決されるものではないでしょうが、大戦後の性急なイスラエル建国、湾岸戦争後のアメリカの駐留等々、どこかに解決の糸口は見えているような気もします。子供の頃に戻って「北風と太陽」のこころを世界中の人々が持ったらなんて幼い考えを真剣に思ったりしています。どんな宗教だって喧嘩や殺人をすすめるものはないでしょう。みんな仲良くお互いに尊敬しあい、認め合い愛し合い、それが宗教の原点だったはずなのに、と、こどもだってわかる心が、大人にわからないはずないのに・・・。こどもだからわかるのかなぁ、寂しいですね。

2001.10.13.

 


★9月29日、南山小学校の創立125周年の祝賀会が行われました。来賓の祝辞に
「・・・統廃合もなく南山という名前がずっと続いていること、一つの名前で125年と言うのはすごいことです・・・」。
本当に少子化で統合されたり廃校になったりの多いこの頃、1つの名前で125年はすごいことです。その後で、歴代の先生方を代表して祝辞に立った最年長86歳になられたOY先生、
「先ほどもお話にもありましたが、名前がずっと変わらないのは本当にすごいことです・・・」
隣にいた昔の悪ガキのJ君が耳元でささやきました、
「そういえばOY先生も86年ずっと名前が変わらなかったね、すごいね!」
「ン?」

2001.9.30.

 


★映画を見ているような信じられない光景が、liveでTVニュースに流れたアメリカのテロは、誰もが許せないと思っただろう。一方で犯人と思われるビンラディン派の思想を支持するイスラム原理主義の信奉者も多数いる。二千年余りの宗教の対立は、それほど根深く解決し難いものなのだろうが、二千年の文明の進歩と何故か切り離されたような宗教の難しさをあらためて考えさせられる。軍事的報復にたった一人反対した女性議員がいる。 バーバラ・リー下院議員です。報復が更なるテロを生むことを、多数の民間人の犠牲を出すことを、根本的解決にならないことを、それでも全面報復という声の中で、一人異議を唱える勇気が ビンラディンの集団にもあれば、と思う。
街は秋祭り、神輿が練り歩き賑わっている。どこから入ってきたのか 、店の片隅で鈴虫が寂しげに鳴いている。

2001.9.16.

 
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